「ZEB」
×大規模木造

カーボンニュートラル実現への挑戦
持続可能なコミュニティの共創

九州電力薩摩川内複合施設「センノオト」

ZEB(ゼブ)とは

[net Zero Energy Building] の略称

快適な室内環境を実現しながら
建物で消費するエネルギーを正味「ゼロ
にすることを目指した建物

九州電力薩摩川内複合施設
「センノオト」

九州電力薩摩川内複合施設センノオトは、2024年4月時点で木造建築物として国内最大規模の『ZEB』(ゼロ・エネルギー・ビル)建築物であり、自然環境と調和した建築として計画されている。また、施設内にはコミュニティスペースをはじめとする地域住民のよりどころとなる場所づくりを行い、地域の特色を活かしたデザインを採用するなど、薩摩川内市の地域・文化を発信する重要な拠点となっている。

九州電力薩摩川内複合施設センノオトは、持続可能性を重視し、構造に大断面集成材を採用した中大規模木造建築物として計画している。内装や什器に関しても、施主である九州電力の社有林のスギ材や鹿児島認証材を用いている。木材の温もりと美しさは、施設内部に快適な環境を提供し、利用者の心地よさを高めることとなった。

薩摩川内市は温暖湿潤な気候であり、特に夏の高温多湿に対応するため、気候風土を踏まえた温度・湿度調整や日射抑制を考慮した設計が重要となる。登り梁を用いたこう配屋根により中間期における効果的な自然換気を図った。また、コミュニティスペースにおいては、カーテンウォールを外壁ラインからセットバックさせることで庇効果を狙い、日差しを遮りつつ、地域に開かれた空間構成となるよう工夫した。

さらに、木構造の採用により快適な室内環境を保つ調湿効果にも期待できる。これは、さらなるエネルギー消費の削減、持続可能な運営の一助となっているのではないか。

木構造の採用は、環境への配慮と地域社会とのつながりを強調する重要な要素となり、地域に根ざした持続可能な建築のモデルとなると改めて感じた。

本館 学習室
本館 オール電化コーナー
本館 カフェ
ふわふわドーム

「ZEB実現のための取り組み|
導入技術イメージ」

「木の良さをアピールする
設計の工夫」

1棟を3,000㎡未満として「準耐火建築物」にする

準耐火建築物では『燃えしろ設計』が可能となり、
木の良さを存分にアピールできる。

◆燃えしろ設計とは
部材表面から燃えしろを除いた残存断面を用いて構造計算を行い、
ことを確かめ、火災時の倒壊防止を確認する設計手法