現在、土木本部で行っているNUMO(原子力発電環境整備機構)のプロジェクトにおいて、「2025年度成果報告会」に参加するため、イタリア・ピサに出張しました。成果報告会には、地元のイタリアの方をはじめ、米国、英国、オランダ、ニュージーランドなどから多くの専門家が集まりました。
ここからは、現地で撮影した写真を交えて、イタリア・ピサの豆知識を、ちょっとご紹介したいと思います。
【豆知識 その1】ピサの斜塔の”鳴らし方”
ピサと言えば、誰でも思い浮かべるのはピサの斜塔でしょう。その特徴的な傾きばかりが注目されがちですが、実はこの塔、「鐘楼」として建てられたことをご存じでしょうか? ではその鐘の音は今どうやって鳴らされているのでしょうか?インターネットで調べてみると、「傾きに影響しないようにスピーカーで音を流している」という説明を目にすることがあります。しかし、実際にはそんな単純な話ではありません。
現在は、塔への負担を最小限に抑えるために、鐘の中にある「舌(ぜつ)」を揺らすのではなく、電子制御された電子ハンマー(モーター駆動の槌)で鐘を叩く仕組みが採用されています。これにより、塔を大きく揺らすことなく、何百年も前に鋳造された本物の鐘の音色を、そのまま響かせることができるのです。
「スピーカーの音」だと思っていたあの響きが、実は歴史そのものだった・・・・。 そう考えると、少し印象が変わりますね。
もし、現地を訪れる機会がありましたら、塔の姿だけでなく、せひこの”本物の音”にも、耳を傾けてはいかがでしょうか?
【豆知識 その2 ガリレオとピサ、そして地動説の始まり】
イタリア・ピサは斜塔で有名ですが、科学者ガリレオ・ガリレイゆかりの地でもあります。彼はピサで生まれ、ピサ大学で学び教授も務めました。
有名な「斜塔から物体を落とす実験」は、物体は重さに関係なく同時に落ちることを示したとされる逸話で、当時主流だったアリストテレスの考えを覆す象徴的なエピソードです(実際の実施は諸説あり)。
さらにガリレオは,地球が宇宙の中心とする「天動説」ではなく、太陽を中心に地球が回る「地動説」を支持し、大きな論争を引き起こしました。こうした葛藤は登場人物や舞台は違いますが、最近ちょっと注目された漫画『チ。-地球の運動について-』でも描かれていますね。
そして時代は大きく進み、1992年にローマ教皇ヨハネ・パウロ2世がガリレオ裁判の誤りを公式に認め、約350年後に名誉が回復されました。
ピサの地は,観光名所であると同時に,「常識に挑み続けた科学の歴史」を象徴する場所でもあるのです。そうした地であるこそ、ピサは街としてそれほど大きくないものの大学や研究機関が集積しているのも納得ができますね。